Nov 26, 2011

[ どうしても失うのだろうか いつ迄無くし続ければいいのだろうか 見失うのは青白い影だけではなく 雨音や触れる言葉すらも。いつか記憶となるのは 頭や心にしまっている訳では無く 恐らくは 実感 現実味 触れたという事実 の触感を忘れかけ 頭の中で都合の良い解釈をした後に話を再構築して 美談もしくは自分が害を被ったと言う悲劇擬きに自惚れているだけの話だろう。くだらないな。見た聞いた物 何が本当で何が嘘 何が現実で何が理想 直ぐに区別など付かなくなってしまうのに 何故腕を伸ばす。目を閉じれば、次に目を覚ました時 そこは見知らぬ場所 私の顔を覗き込む何者かに はい 全部嘘ですお疲れ様 と言われたい気分である。全てを見失ってしまいそうな時はどうすればいい。 ]

Nov 23, 2011

何も無くなってしまいそうで 怖いのは夜 放埓に在れば楽にもなれるのだろうか、見えぬままの風景を幾ら思い描いてみたところで 手を延ばした先には空虚を掴むばかり。恐らく私への不満を飲み込む事も出来ぬ為 無意識のうちに口にしているのだろう 此方を見つめる幽霊がモゴリモゴリと口を動かしている もう二時間もの間そうして背後に立っている。言葉の数々に意識を乱される事も急かされる事も無く 私は椅子の上で膝を立てて座り眠っていた。人の代わりに枕を抱き 椅子の上 目が覚めれば頭痛 そうして直ぐに、眠っている間に過ぎた数時間への罪悪感と焦燥感に苛まれ 机に目を向ければ何一つとして手をつけていない紙切れの山。山。幽霊が一歩、近づいて耳元で呟き始めた。溜息に掻き消され行く思考を止め 私はもう一度蹲る。

Nov 22, 2011

[ 大切な物は片手で数えられる程しか持っていないのに 余計な物や事ばかりが頭の中に流れ込んでくる為 とうの昔に頭中は浸食され 何も考えられなくなってしまった様で 焦燥感に苛まれたのなら、指先で何度も読み返した本の文字や写真を一つ一つ摘んでいる。/ 美しいだなんて どうして思えるのだろうか 日々を辿って行く上で美しさを感じられる物は少なからずあるが いつか、本当に美しいと思える物に出会うことは出来るのだろうか。どうしたって 今じゃない、いつかなのは分かっている。見えない先が堪らなく怖い 無い物強請りばかり 求めるのならそれなりの覚悟は必要だと それ位は理解している。しかし それならば、今は 何もない空白と空虚をどう過ごせばいい。/ 弱音ばかりを吐き出して傷口をひけらかしていたあの娘はきっと 今だけじゃなくて 誰かを受け入れては、毎晩 そうして。/ 私は今 片手を空けたままに、一人夜に取り残されているらしい 月も明かりも見たくはなくて。ただただ途方に暮れている。 ]