Sep 23, 2011

仕事帰り 馴染みの猫と会話をした後 少し遠回りをして帰ろうと 家とは反対の方向へ自転車を走らせる。何となく喉が渇く気がして ふと視界に入った自動販売機にて コーラを買う 甘ったるい後味と炭酸の弾ける音 今日もお疲れ様 と頭の中で呟いた。夜道は通る人も疎らで 遠くに見える電車は一直線に光を残しながら去って行く 知らない人達がきっと ぎゅうぎゅう詰めで運ばれているのだろう。もう一度頭の中で 今度は知らない誰かへ、お疲れ様 と呟いた。飲み終わった缶を捨てる時 腕に着けている真鍮で出来た腕輪が缶にぶつかり小さく冷めた音を鳴らした。一人の夜道には不思議な程にその一音が馴染んだ様な気がした。自転車を漕ぐ。何も忘れたくない 何もかも忘れたい 遠回りしたって見慣れた道 知らない街に行ったって何もが新鮮には感じないのだろうな 慣れてしまって直ぐに飽和してしまうのだろうな いつまで背負えばいい いつになれば馬鹿になれる いつかは不感症の如く何も感じなくなれるのだろうか。パーカーの袖に触れる空気がただ冷たかった もう 直に終わりを感じる季節が来てしまう。

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